わんにゃんドックについて

言葉を使って話さない動物だからこそ、
健康に不安を感じることはありませんか?
動物たちも長生きするようになり、人間と同じように心臓病や腎臓病・癌などあらゆる病気が多くなりました。このような病気は徐々に進行していくため、初期の段階では症状を出しません。そして「何かおかしいな?」と気が付いた時には、もうかなり進行しているということがほとんどです。
病気を早期に発見するには、やはり定期的な検診を受けることが必要です。
当院では「わんにゃんドック」として健康診断のための検査コースを用意し、病気の早期発見・早期治療を推奨しています。
ワンちゃん、ネコちゃんの1年は、人の4年に相当すると言われています。
そのため、半年から1年に1度の定期検診を受けられることをお勧めします。
わんにゃんドックの内容
身体検査・血液検査・尿検査・糞便検査・レントゲン検査・心電図検査・超音波検査(胸部、腹部)
上記の中から、必要に応じて選択します。詳細につきましては、当院スタッフに、お気軽におたずねください。
それぞれの検査で何がわかるの?
身体検査
問診・視診・聴診・嗅診・触診を行い、獣医師が身体の異常をチェックします。大きな異常はこの段階で明らかになることもあります。
血液検査
肝機能・腎機能のチェックや内分泌異常の可能性がないかどうかを診ます。また貧血や炎症の有無の確認なども行います。
糞便検査
寄生虫の感染や腸内細菌叢の乱れなどを確認します。
尿検査
膀胱疾患や腎機能のチェックや、内分泌疾患の評価を行います。
レントゲン検査
各臓器の大きさや位置・形や見え方などを評価します。
心電図検査
主に心臓肥大や不整脈がないかなどを検査します。
超音波検査
胸部:心臓の動きや血流を評価します。
腹部:各臓器の内部構造を評価します。
どんな病気が発見できるの?※一例です
僧帽弁閉鎖不全
ワンちゃんに多い心臓の病気です。小型犬に多く、とくに7歳頃の中年期以降によく発症します。
心臓は、弁と壁に囲まれた4つの部屋から成り立っていますが、その左側の2部屋(左心房と左心室)を分けているのが「僧帽弁」です。この病気では僧帽弁が分厚くなって変性し、本来ならぴったりと閉じなければいけない時に隙間ができてしまいます。その隙間から血流が逆流すると心臓に負担がかかり、心肥大が起こって気管支が刺激され咳が出るようになります。また、進行すると肺に水が溜まる肺水腫を起こして呼吸困難に陥ったり、不整脈を呈するなど、命の危険にもさらされます。
心臓は代償機能が高く、病気が存在してもなかなか症状になって現れないため、症状が出たときにはすでに進行していることも少なくありません。胸部レントゲン検査や心臓超音波検査を行うことで、深刻な症状を起こす前に発見することができ、お薬で病気の進行を遅らせたり、突然の悪化を防いだりすることができます。
慢性腎不全
高齢のネコちゃんでは非常によく認められ、15歳以上では30%が腎不全を起こしていると言われています。
腎臓は血液の老廃物を濃縮して、尿として排泄する大切な臓器です。様々な原因によって徐々に腎臓の構造が破綻し、正常な尿を作ることが出来なくなってしまうのですが、そうなると毒素が体から排泄されず、食欲不振・嘔吐といった症状が出てきます。また、尿を濃縮することが出来ないので、薄い尿が大量に出て脱水症状を起こします。
尿検査や血液検査を行うことで腎不全があるかどうかを確認し、レントゲン検査やエコー検査で腎臓の大きさや構造を把握することができます。腎不全には食事療法が大切です。症状が出る前に異常を見つけてあげることが寿命を延ばす近道です。